デカルト(Descartes):神の誠実性と明証性の規則– 西洋哲学史と倫理学のキホン(60) –

デカルトは、神の存在を〝証明〟したことにより、方法的懐疑における〝神が欺いているのかもしれない〟という疑いを一気に晴らすことができた。
なぜなら、欺くということは、悪意や弱さという不完全性によるものであり、それは神の完全性と矛盾するからである。
〝神は人間を欺く存在ではない〟――こうした神の性質を「神の誠実性」と呼ぶ。

さらに、デカルトは、もしもわれわれ人間が明晰判明に知覚したり理解したりするものが誤りであるならば、それは人間を創造した神が誠実ではないことになり、神の誠実性と矛盾するため、「私が明晰・判明に理解するものはすべて必然的に真である」と結論した。
これを「明証性の規則」と呼ぶ。

このようにしてデカルトは、世界を再構成するために必要な、〝確実な根拠〟に保証された〝確実な知識〟の基盤を手に入れたのであった。

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